中小企業基盤整備機構が提供する中小企業ニュースに、都内中小メーカーが取り組む市場調査に関する記事が掲載されている。
社員数10人の都内メーカーが独自の市場調査をおこない、新製品を開発、新規市場に相次ぎ参入しているという話。社員が通常業務の合間に、一般消費者に聞き込みを行い、製品開発や価格設定に生かすのが特徴。
東和サプライ/灰皿の煙排除で新製品。
「灰皿から出続ける煙を何とかできないか」。通信ケーブルの延線工事用装置の製造・販売を手掛ける同社は社員10人。社長・社員が手分けして、高速道路のサービスエリアや道の駅など数百か所を回り、喫煙・非喫煙者や灰皿の管理責任者に調査を実施。
調査結果から喫煙所では煙に対する苦情以外に、喫煙者が増える夕方の時間帯と、清掃担当者がトイレ掃除など別の業務に追われる時間帯が重なり、灰皿の掃除にまで手が回らないなどの構造的な問題点が明らかになった。
開発は煙の排除に力を注ぎ、自動消火システムを考案。吸い殻と水を分離する二重構造にし、清掃の負担を軽減した。年内の製品化を目指して開発を進め、すでに地域金融機関から数台を受注した。
チバダイス/バイク用靴底滑りどめ開発
歯車の金型などを手掛ける葛飾区のチバダイスは、独自技術を生かせる市場の調査と製品開発に乗り出している。
調査対象は一般のバイク利用者約200人。調査結果から、スクーターに取り付けて足場を固定するステップバーの開発に的を絞った。バイク利用者は体の前方だけでなく、後方で足をステップバーに乗せたい需要があることがわかり、前後で利用できる商品を開発。製品には靴底の滑り止めとして、金属丸棒表面に独自加工技術を生かしている。販路はバイク部品の専門店などを独自に開拓し、これまで約50個の販売実績がある。
記事は「新製品開発に活路を求める中小企業の課題はマーケティング力。社員数十人規模で市場調査の専門部隊を立ち上げるのは難しいが、社員自らが一般消費者の意見をコツコツ集め、製品開発につなげる動きが出てきた。この草の根的な調査・製品開発が、中小企業が国内でモノづくりを拡充するヒントを与えてくれそうだ」と締めくくっている。
この記事のまとめにある「社員自らが一般消費者の意見をコツコツ集め」jという点が、もっとも重油小田。難局の打破とは、売る(セリング)の立場から、聴く(マーケティング)の立場への大転換なのである。
これまで中小企業は、右肩上がりの成長市場のなか、技術力を中心に企業の成長を支えてきた。そこのは「いいものを作れば売れる」という流れがあった。しかし、現代社会にはすでにものが溢れており、消費者はたとえいいものであっても買う必要がない。それを買ってもらうためには、まさに消費者が抱えている「不」のたねを見つけて、それを解決するソリューションを提供することしかないのだ。
『社員が顧客の意見に耳を傾ける』
この積み重ねだけが、難局にある中小企業が勝ち残るための道である。
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