2010年12月11日土曜日

答えは既存顧客の中にある

ビジネスの世界では日々、売上と利益が追及されている。

佐藤義典は著書1)図解 実戦マーケティング戦略
にて、「売り上げを上げる方法はたった5つしかない」として売上5原則を提示。その5つとは、①新規顧客の増加、②流出顧客の減少、③購買頻度の増加、④購買点数の増大、⑤1点あたりの商品単価の向上、である。

この5原則の中で、新規顧客に関する項目は1点のみ。残る4点は既存顧客に関する項目である。
つまり「売り上げを上げる」という意味において、既存顧客には打つ手が複数あるということでもある。

では日常、営業担当者や営業マネージャー、経営層はこうした②~④の現状と推移をどこまで正確につかみ、実際の営業活動に落とし込んでいるだろうか。実は、中小企業では、こうした基本的な分析がほとんどできていない。つまり、勘や経験だけで、日々の売り上げを作っているのである。

では、この既存顧客に関する項目を詳細に分析することは、難しいことなのだろうか。
いや、実に簡単である。日々の販売情報(データ)とエクセル(表計算ソフト)さえあれば、あっというまに現状分析が可能なのである。

一昨日のブログにも書いたが、行動科学を当てはめるのは、まさにこの分析を終え、ターゲットを明確に見据えたうえで、営業活動を成功するルールに従って遂行していくことが重要なのである。

営業担当者、営業マネジャーは常に日々の数字に追われている。
しかし、たった1日でも立ち止まって、自分の持っているデータを見つめなおすだけで、来週からの営業活動がより実り多いものになるのである。

1)『実践マーケティング戦略』日本能率マネジメントセンター,2005
図解 実戦マーケティング戦略

2010年12月9日木曜日

売上・利益を伸ばす顧客分析術

来年、中小企業を対象に企画している講座のタイトル案。
現在、講座用のPPTを作成中。その過程で、参考文献を読みながら思ったこと。

最近、上梓され売上ランキングに掲載されるビジネス書、特に営業関連の書籍はほぼ網羅。共通するのは「根性ではなく科学である」というポイント。何故こうした点が強調されるようになったのか。それは右肩上がりの成長市場から、平行あるいは右肩下がりの市場環境で、より無駄なく効率的に収益を上げることが重要かということ。

そこで提案されるのが、「見える化」や「仕組化」など行動科学の考え方である。
しかし一見、すぐにでも使える方法に感じるこの考え方にも課題はある。
それは問題点の見つけ方が提示されていないことにある。

営業活動を「見える化」「仕組化」する目的は、成果を効果的に上げることを目標としている。 しかし、その成果を上げる方向性については、何ら検討されていない。過去の成功事例を抽象化しても、方向が間違っていれば成果は上がらない。

過去の営業実績を詳しく分析することで、どの部署が・どの担当者が・どの商品が・どの顧客が問題を抱えているのか?原因は何なのか?を明らかにしたうえで、その方向に最も適した成功事例を行動科学にあてはめて実践していかなければいけないのではないだろうか。

行動科学が喝破する「物が売れない理由は簡単で、売れる行動をとっていないからだ」という論理。しかし、そこには顧客側の論理が欠落している。「売れる」のではなく「買ってくれる」のだ。つまり、何処にその商品やサービスを希望する人たちがいるのかという情報を捉えた上で、より効果的に「売れる」行動を明らかにしなければならない。

今度の講座は、どうすればこの「買ってくれる顧客」、つまり商品やサービスを希望する人たちを見つけるのかついて明らかにしたいと思う。

2010年12月8日水曜日

顧客満足度とコミュニケーション

現在、新規事業として賃貸住宅を計画中。
今年の春、現在の居住地周辺で時間を見つけては商圏分析を行い、地域特性に応じた居住者及び物件イメージは出来上がった。しかし、それを実際に形にしてくれるパートナー探しは迷走した。

まず、建築士・工務店・大工・ハウスメーカーに関する第三者情報が少なすぎること。つまり、ここでも、一般的な市場同様、提供サイドの情報のみが氾濫し、買い手側の客観的情報が提示されていないのである。

住宅を建築するのは、人生で最も大きな買い物とも言われる。それほど大きな買い物にもかかわらず、提供側を第三者的に評価する基準が存在せず、実際建ててみないとわからないという博打のような環境に顧客は置かれている。

そんな環境の中でも判断せざるを得ない状況にあり、4名の建築士・3社の工務店・3社の住宅メーカー・1社の建築グループと計11社を氾濫する情報の中から選択し、それぞれに条件を伝えてプランを考えてもらい、最終的に1つに決定した。

この業者は、顧客(私)が考える期待を超えた提案をしてきてくれた。その意味で「商品力」は優れたものがあった。しかし、測量や構造設計など具体的に業務を進行していく過程で、地盤改良などが追加的に発生したことにより、予算的に厳しくなり、計画の見直しなどスケジュールに遅れが生じてきた。

ここで担当者と顧客(私)のコミュニケーションが途切れがちになってきたのである。
担当者は一生懸命策を練っている。だからなかなか進捗しない。進捗しないから報告できない。まさに悪循環である。一方、顧客は一生懸命策を練っていることが見えない。不安が募っていくという循環に陥っていく。

ここで重要なのは、正しい情報を常に伝えるということである。無理やりいい情報を伝えることに意味があるわけではない。人は情報を持っていれば、冷静に判断を下せる。少なくとも商品力は突き抜けているのだから、コミュニケーション能力を高めることが不可欠だろう。悩んでいる姿を見せてくれれば、よりその業者・担当者の方に対する信頼感は高まるのである。

といいながら、自社の取り組み自体、同じ問題を抱えていないか見つめなおします。

2010年12月7日火曜日

顧客満足度につながる対応

弊社は小規模な企業だ。

そんな小規模な企業に対してマイクロソフト社が提供しているofficelive for small buisinessを2007年から利用させてもらってきた。しかし、メールドメインを2種類使用するようになり、HPを自社で制作管理するようになってくると、出来ることに制限があることもあり、不便さが目立つようになってきていた。

そこで、ファーストサーバが安価で提供しているサーバーカウボーイにメールサーバ及びHPサーバの移管することにした。基本的にITに疎いが、マイクロソフトのサポートに事前に連絡をして、手続き方法を確認し、そのうえで実行したにもかかわらず大切な情報が届かない。
焦ってマイクロソフト社に連絡しても解約後は対応できないとの説明。

もちろん担当者は、精一杯社内のルール内での対応をしてもらったのは事実。
しかし、顧客は「解決」を望んでいるんであって、社内のルール内での対応を望んでいるわけではない。
その点、実際にはオーストラリアで弊社のドメイン情報を管理していたMelbourun IT社はとても素早く、解決に導いてくれる対応だった。

メールを送ったのが、昨晩の23時過ぎ。それが今朝6時にはすでに対応が完了し、必要な情報がすべて揃っており、しかもそのメールでの文面がとてもわかりやすく丁寧。いっそのことこの会社と取引しようかとも思ってしまったほど。

顧客満足は「売上」と直結することはわかっている。
しかし、実際に不満・満足を測定し、修正し、売り上げにつなげようとする努力を企業は継続的に続けなければいけない。マイクロソフトはせっかく無料で提供したサービスであっても、結果的にイメージを落としてしまい、新しく導入するOFFICE365への移行を1アカウント逃してしまったわけだ。
しかも、最悪の印象を残して。

こうしたひとつひとつの事例の積み重ねが、今後の企業の成長を決定すると思うと、自分自身のえりも正さねばと肝に銘じた。

2010年12月6日月曜日

統計情報の活用について

市町村サイトには統計に関するページが必ずと言っていいほど整備されている。
大学院で研究していた時代には、こうした統計データを分析してレジュメを作成することが毎日だった。

今日は、ある市議会議員候補に商圏分析結果をプレゼンさせてもらった。
データは、町丁別の人口が年齢別に整理されたものを使用。
これを元に、町丁ごとの年齢構成の特性を分析し、候補者が得意とする分野に合致する有権者層が居住する地域を特定している。もちろん、人口だけでなく、世帯や就業特性なども国勢調査の小地域統計から分析した結果も併せて提示した。

市役所の人口統計データも国勢調査のどちらも、無料で信頼できるデータである。
しかも少し分析するだけで多くのことが見えてくる。
でも、こうしたデータがあることを行政はあまり伝えていないし、どのように役立つかを教育機関でも十分に教えてきていない。

商圏分析と銘打ったサービスの中には、こうした無料データをひな形に沿って整理しただけで、多額のフィーを要求するものもある。しかし、実際は「タダ」、いや我々が税金を投入して整備した貴重な資産なのである。

選挙は特にエリアビジネス同様、地域特性を把握することがとても重要である。
つまりこうした市町村が提供している統計情報や、国勢調査データを使いこなせることができれば、より的確に住民ニーズに答えていけるともいえる。

来年の講演会では、こうした現場で使える技術を提供することで、少しでも政治がよくなることを期待したい。

2010年12月5日日曜日

マーケティング・リサーチの視点で選挙を見ると

「有権者は何を求めているのか・・・マーケティング・リサーチの視点で選挙を見ると」

ある尊敬する方に依頼を頂戴し、このようなテーマで講演を行うことになった。
聴衆は、現役市議会議員・統一地方選挙立候補予定者及びその支援者とのこと。
今日は、そのレジュメ作成に一日を費やす。

短期的に選挙に役立つマーケティングリサーチの実践ノウハウと、中長期的に役立つ社会調査の知識を1時間で伝えるにはどういった構成でいくべきかについて検討した。
「市民派候補のための選挙必勝マニュアル」をお借りしていたので読んでみたが、そこにヒントを見つけた。そのヒントとは、マニュアルの内容が広報的視点のみで構成されていたことだ。

選挙とはつまり、市民の悩みを特定し、その解決のための処方箋を示すことで共感を得、投票という対価を得ることにある。しかし、「市民の悩みを特定する」という第一歩に関するノウハウはほとんど提供されていないのだ。

これは現代の企業の抱える課題とまったく同じである。
企業も、顧客のニーズとは何かを問うことを忘れ、ただ売ることのみに専念してきた結果、売上・収益不振に陥っている。選挙に置き換えれば、投票数とはつまり、顧客である市民のニーズをくみ取れたことを如実に表す結果であり、企業における売上である。
投票率が上がらないことは単なるマクロな問題に過ぎない。候補者にとって重要なのは「得票数を上げる」こと、つまり如何に市民の悩みを特定し、解決のための処方箋を示せるのかにかかっているのだ。

そのためには、市民の悩みを特定する技術、すなわち調査技術(マーケティングリサーチ)が必須である。協力できる仲間や支援者とともに、丹念に市民の悩みを明らかにしていくこと。このことこそが、この講演会で提供すべき内容だとの結論に至った。

当日に喜んでもらえる講演内容に仕上げたい。