IT mediaが実施した「企業におけるソフトウェア活用に関する調査」(2010/12/8~16,回答数634)から、企業における情報分析ツールの活用状況に関して次のような調査結果が明らかに。
「excelで情報分析を行っている企業が圧倒的に多い」「excelで分析できる情報と今ビジネスに求められる情報とのギャップが表れている」「情報分析ツールの活用が進んでいる企業では、自社の業績が「好調」という回答が多い」とのまとめである。
情報分析のために現状導入しているツールとしては、エクセルなどの表計算ソフトを挙げる企業が87.2%。2位以下のアンケート分析やOLAP分析などは20%台にとどまっている。
この調査結果からの結論として、「表計算ソフトは手軽に使用できる良さはあるものの、変化の激しい現在のビジネス状況の中、さまざまなデータを効率的に取得・分析するにはどうしても対応しきれない。扱えるデータが限定され、しかもタイムリーに提供できないことから、結局のところデータをビジネスに貢献する情報として活用できないのだ」とまとめている。
その証左として、「情報分析ツールを効果的に利用し、それをビジネスに役立てていると応えた企業は8.2%にとどまり、9割以上の企業が「利用していない」「利用が進んでいない」「利用は進んでいるが、効果が出ていない」と回答。また、ツールの活用が進んでいる企業ではビジネスの状況が「好調」「やや好調」との回答が高い割合を占めているという数字を示している。
しかしこの結論には2つの疑問点を呈することが出来る。まず、情報分析ツールの活用が進んでいる企業が「ビジネスの状況が好調」だと回答している結果を持って、ツールとの「因果関係」があると結論づけることが出来るのかという点。また、もし因果関係があったとしても、「ツール導入」が原因で、「ビジネス状況の好調」が結果としてどうして言い切れるのかという点である。
確かにビジネス状況の好調を維持発展させるためには情報分析は重要だ。しかし、それはツールの問題ではなく、あくまでデータ分析を行いながら現状を改善しようとする考え方そのものが重要なのだ。つまり、データ分析を行って現状を改善しようと考えれば、その手段がエクセルであっても成果は出るはずなのだ。
何事も「手段」だけでは解決しない。何を解決するのかという「目的」さえ持てば、情報分析ツールなどはエクセルで十分なのだ。ビジネスの課題解決に情報分析が役立つという根本事実こそが、ツールのT活用よりも重要なのだ。
2011年2月16日水曜日
2011年2月15日火曜日
顧客に訊く|新聞広告を使った新規顧客開拓アイディア
本日の日本経済新聞に「誕生!大型規格ハウス。あなたなら何に使う?」という広告が掲載されていた。この広告、広告ではあるがメーカーが顧客に、その使い方を尋ねるという画期的なもの。
コピーが秀逸。『高さ6mのおコメ用乾燥機ハウスとして開発しました!…が、使い方が一つではもったいないので、アイディアを募集します。応募方法はこちら。。。』
この広告。三つの意味が同時に含まれている。ひとつはまさに「商品宣伝」。コピーのおかげで、確実に目を引く宣伝に仕上がっている。ふたつ目は商品を通じた会社広報。「カクイチ」という会社の存在自体をしらなかった人たちが、この広告をきっかけに認知したことになる。
そして最後のひとつ。それが最も重要な意味でもある「新しい使い方」を訊くことで、この商品の可能性を集めようとする姿勢である。
商品は会社側が企画した生産物だ。しかし使い方は顧客の数だけあるといってもよい。例えば極端な例でいうと、ある焼肉屋さんは洗濯機を「たれ製造機」として使っている。もしこの事実をメーカーが真摯に受け止めることが出来れば、新たな販路を開拓する機会になる可能性もあるのだ。
そうした点からみて、このメーカーは、商品の使い方を顧客から募集して、新たな販路開拓しようとしているのだ。この姿勢はとても大切だ。自分たちの一方的な思い込みから脱却して、顧客の声を訊く。まさにマーケティングの本質をつかんでいる行動だと思う。
ただし日経新聞の広告欄が、その効果を発揮するのに十分な媒体かどうかは疑問が残る。ツイッターやフェイスブック、ブログなど様々な媒体を使ったクロスメディアの力をもっと活用する必要があるのではないだろうか。
コピーが秀逸。『高さ6mのおコメ用乾燥機ハウスとして開発しました!…が、使い方が一つではもったいないので、アイディアを募集します。応募方法はこちら。。。』
この広告。三つの意味が同時に含まれている。ひとつはまさに「商品宣伝」。コピーのおかげで、確実に目を引く宣伝に仕上がっている。ふたつ目は商品を通じた会社広報。「カクイチ」という会社の存在自体をしらなかった人たちが、この広告をきっかけに認知したことになる。
そして最後のひとつ。それが最も重要な意味でもある「新しい使い方」を訊くことで、この商品の可能性を集めようとする姿勢である。
商品は会社側が企画した生産物だ。しかし使い方は顧客の数だけあるといってもよい。例えば極端な例でいうと、ある焼肉屋さんは洗濯機を「たれ製造機」として使っている。もしこの事実をメーカーが真摯に受け止めることが出来れば、新たな販路を開拓する機会になる可能性もあるのだ。
そうした点からみて、このメーカーは、商品の使い方を顧客から募集して、新たな販路開拓しようとしているのだ。この姿勢はとても大切だ。自分たちの一方的な思い込みから脱却して、顧客の声を訊く。まさにマーケティングの本質をつかんでいる行動だと思う。
ただし日経新聞の広告欄が、その効果を発揮するのに十分な媒体かどうかは疑問が残る。ツイッターやフェイスブック、ブログなど様々な媒体を使ったクロスメディアの力をもっと活用する必要があるのではないだろうか。
2011年2月13日日曜日
価格改定を顧客の立場から考える
私の出身地はうどん王国香川。そこに行きつけのうどん屋さんが2軒ある。一軒はコストパフォーマンスの高さが秀逸なうどん屋さん。もう一軒は、うどんって本当においしいなぁと実感させてくれるうどん屋さんだ。
実は、昨日、久しぶりにコストパフォーマンスの高さを評価していたうどん屋さんを訪問したところ、昨年末に値上げを敢行していた事実を知った。うどん1玉120円→150円への値上げである。うどん王国外の居住者にとって、それは誤差ほどの値上げかもしれない。そもそもうどん1杯が120円ということ自体が驚きの価格であるからだ。しかし裏を返せば、この値段で戦わなければならないほど王国内は「激戦区」であるといえるのだ。
さて、この値上げが吉と出るか凶と出るか、その推移ぜひ見守りたい。何故なら、我が家では「もういかないな~」という評価が下されたからだ。3人でこのうどん屋にいくと、うどん中3杯とてんぷらを6ケ注文して990円と千円一枚で事足りるというのが「コストパフォーマンスの高さ」を認識する指標だったのだ。しかし理論的には、この価格が1080円に値上げされたことになり、千円を超えてしまうのだ。
当方にとっての最大の評価点「コストパフォーマンス」が落ちたことによって、このうどん店は、別指標によって評価されることになる。例えば、一度に茹でる面の量が少ないため、客が待たされる時間がかなりある。また、コストを重視しているためか人員が少なく、洗い場に食器類がたまりがちで、若干清潔感に欠ける部分がある。
これらのネガティブ部分をこれまで「価格」というファクターが覆い隠していたにもかかわらず、それを捨ててしまったのだ。その結果、我が家の3名の顧客を失ったのである。これが店舗全体で行くとどの程度の影響なのかが気になる。
例えば10%の顧客を失ったとしても、100人×120円=12000円の売り上げが、90人×150円=13500円となり、1500円の売上増となる。しかし、同時に売上が確保されるはずだったてんぷら(160円×10人)が減ってしまい1600円の減収、結果的に価格改定がマイナス100円と売上減につながるのだ。
売上を上げるためには、「顧客を増やす」か「単価を上げるか」の2つの方法しか存在しない。しかし、ここで忘れがちなのは、常に「顧客を増やす」ことを優先しなければいけない事実だ。何故なら、単価を上げることで失客してしまえば、やはり売上が下がってしまうからだ。顧客が存在してさえいれば、必ず売上はついてくる。逆に商品だけあっても顧客が存在しなければ売上は存在しない。つまり店はつぶれてしまうのだ。
このうどん店。自分たちの本当の強みを捨ててしまった事実に気付いた時にはもう遅い。残したいと思えるほど「美味しい」うどん屋なら、それでも顧客は逃げない。行きつけのもう一店舗のうどん屋が30円程度値上げしても、我々は顧客としてそのうどん屋に通い続けることは間違いないからだ。しかし、「価格」を売り物にしている店が「価格」を捨ててしまったら、何も差別化できないのだ。
経営とは「差別化」であり、顧客が評価している「差別化」部分を、いかに維持・向上させていくかが問われているのである。
実は、昨日、久しぶりにコストパフォーマンスの高さを評価していたうどん屋さんを訪問したところ、昨年末に値上げを敢行していた事実を知った。うどん1玉120円→150円への値上げである。うどん王国外の居住者にとって、それは誤差ほどの値上げかもしれない。そもそもうどん1杯が120円ということ自体が驚きの価格であるからだ。しかし裏を返せば、この値段で戦わなければならないほど王国内は「激戦区」であるといえるのだ。
さて、この値上げが吉と出るか凶と出るか、その推移ぜひ見守りたい。何故なら、我が家では「もういかないな~」という評価が下されたからだ。3人でこのうどん屋にいくと、うどん中3杯とてんぷらを6ケ注文して990円と千円一枚で事足りるというのが「コストパフォーマンスの高さ」を認識する指標だったのだ。しかし理論的には、この価格が1080円に値上げされたことになり、千円を超えてしまうのだ。
当方にとっての最大の評価点「コストパフォーマンス」が落ちたことによって、このうどん店は、別指標によって評価されることになる。例えば、一度に茹でる面の量が少ないため、客が待たされる時間がかなりある。また、コストを重視しているためか人員が少なく、洗い場に食器類がたまりがちで、若干清潔感に欠ける部分がある。
これらのネガティブ部分をこれまで「価格」というファクターが覆い隠していたにもかかわらず、それを捨ててしまったのだ。その結果、我が家の3名の顧客を失ったのである。これが店舗全体で行くとどの程度の影響なのかが気になる。
例えば10%の顧客を失ったとしても、100人×120円=12000円の売り上げが、90人×150円=13500円となり、1500円の売上増となる。しかし、同時に売上が確保されるはずだったてんぷら(160円×10人)が減ってしまい1600円の減収、結果的に価格改定がマイナス100円と売上減につながるのだ。
売上を上げるためには、「顧客を増やす」か「単価を上げるか」の2つの方法しか存在しない。しかし、ここで忘れがちなのは、常に「顧客を増やす」ことを優先しなければいけない事実だ。何故なら、単価を上げることで失客してしまえば、やはり売上が下がってしまうからだ。顧客が存在してさえいれば、必ず売上はついてくる。逆に商品だけあっても顧客が存在しなければ売上は存在しない。つまり店はつぶれてしまうのだ。
このうどん店。自分たちの本当の強みを捨ててしまった事実に気付いた時にはもう遅い。残したいと思えるほど「美味しい」うどん屋なら、それでも顧客は逃げない。行きつけのもう一店舗のうどん屋が30円程度値上げしても、我々は顧客としてそのうどん屋に通い続けることは間違いないからだ。しかし、「価格」を売り物にしている店が「価格」を捨ててしまったら、何も差別化できないのだ。
経営とは「差別化」であり、顧客が評価している「差別化」部分を、いかに維持・向上させていくかが問われているのである。
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