2011年1月14日金曜日

佐川急便とクロネコヤマト

明日、講演会がある。今後、提供している社内研修風景などもYOU TUBEを用いて配信することも検討しているため、ビデオを購入し記録&配信実験に使うことにした。

ビデオはバッテリー電源のみだったためアマゾンで予備バッテリー2本を購入。購入日付は11日。加えてパワーポイントでの講義進行のためプレゼンターも購入した。こちらの購入日は13日。しかし実際に到着したのは後者のプレゼンターだった。

前者は山口県宇部市から、後者は堺市堺区から。同じアマゾンに発注したが、前者はクロネコヤマト、後者は佐川急便が担当していた。到着スピードについては、大阪発と山口発の便とを単純比較するのは問題があるかもしれない。

しかし大きく違っていたのは、ネット上での配送状況確認の便利さである。クロネコヤマトは、発送段階と投函段階だけの表記であり、途中経路情報が全く表示されず、どこまで荷物が来ているのかが確認できなかった。他方、佐川急便は発送、中継地、配達店、配達中の経路情報が的確に反映されていたため、急ぎの商品依頼でも安心して荷物の到着を待つことができた。

加えて、アマゾンHPとの親和性にも違いがあった。クロネコはアマゾンHPからの検索には、常にエラーが表記され、クロネコヤマト自体のHPでなければ確認することができなかった。

宅急便は送る側に立った場合、あまりその利便性を問うことはない。無事に指定どおりにつけばいいからだ。しかし、送られる側に立ったとたん、その利便性を強く感じてしまう。

結果、利便性の高い運送会社を送る側、つまり料金を支払う側に立った時に利用することになる。その点、ゆうパックなどはもらいうけ損なっても、わざわざ郵便局に連絡しなければならないので機動性も悪く利用する気すらならない。そう考えると、民間企業は「顧客」の期待にこたえるサービスを提供しているのだが、「顧客」の期待がどこに存在しているのかを知ることはとても難しい。

こうしてブログに書いたりすれば、少なくとも目に留まる場合はあるだろう。しかし、これまでクロネコヤマトや佐川急便のセールスドライバーが、サービスの問題点について聞いてきたことは一度もない。

ヤマト運輸は政府が民間に開放した統計調査事業に乗り込んでいる。全国の集配担当者を調査員として活用しようという試みだ。しかし、こうしたリソースを「売る」ことに活用する前に、自社の顧客の声を「聞く」ことに利用すべきだったのではないだろうか。

顧客がどこに不満を持っているのかを真摯に聞いた企業だけが、企業競争に勝ち残っていけるのだから。

営業マネジャーの仕事|営業活動分析編

売上伝票情報の分析結果から、営業課題の特定と要因分析が可能という話を書きましたが、現実はそう簡単でもありません。

売上伝票情報は万能データとは言えません。何故なら、営業成果のみを記録した情報であり、営業過程が記録されていないからです。営業には成果に結び付かなかった活動も多々あります。こうした活動全てを分析して初めて、本質的に成功要因を明らかにすることができるのです。

そこで重要になるのが「営業日報」。営業日報には通常、「担当者名、作成日時、訪問先、訪問日時、訪問場所、面談者、面談時間、顧客業種分類、件名、内容、情報区分、作業区分、重要度、受注確度、阻害要因、受失注理由」などが記録されます。

これら営業日報情報と売上伝票情報を重ねて分析することにより、営業過程がどう成果に影響を与えたかを明らかにすることができ、効果的な営業方法の確立につながるのです。また成果が出た営業活動のみならず、失注した案件を分析することで弱点を明らかにすることもできるのです。

他方、これらの分析情報は個別の営業担当者の管理だけに用いるのではなく、顧客タイプ別の分析にもつながり、営業ツール開発などにも役立ちます。

このように意味のある情報を収集すること。そしてその情報を適切に分析することで、営業活動を効果的に進める。これこそが営業マネジャーに求められている能力の根幹です。

何も難しいことではありません。情報収集の基礎知識、そしてエクセル機能の使い方を身につけてさえいれば、誰にでもできることなのです。日々の営業数値への取り組みこそが営業成果を上げる近道だと思わず、急がば回れの精神で顧客分析・営業活動分析を進めてみてはいかがでしょうか。

2011年1月13日木曜日

営業マネジャーの仕事|データ分析編

営業マネジャーは、自身が管理する営業担当者の顧客を分析し、彼らの営業成績に直結する情報を提供する必要があります。何故なら、マネジャーの「顧客」とは彼らなのですから。

本来、営業担当者の仕事とは自社の製品・サービスを販売することにあります。しかし、これは表面的な事象であって、本質的には顧客の利益向上に貢献することにあります。

顧客が「なぜ製品・サービスを購入するのか」については、製品・サービスや営業担当者がもたらす情報が、顧客の利益に直結しているからに他なりません。翻って、営業マネジャーの「顧客」は営業担当者であり、彼らに利益をもたらすことこそが仕事なのです。

営業担当者は、自身が担当する顧客のことしかわかりませんし、自分の営業活動の特徴を知ることはできません。しかし、営業マネジャーから見れば、自身が管理する営業担当者が持つ顧客全体を俯瞰できますし、営業担当者の強み・弱みといった特徴については、他の営業担当者と比較することで明らかにできます。

営業マネジャーは顧客全体の動向及び営業担当者の活動を分析することで、成功事例に共通する傾向を捉える事ができます。この傾向さえ捉える事ができれば、効率的かつ効果的に営業活動を進めることができ、結果的に自身が管理する営業担当者の成績向上につながっていきます。

まず顧客全体を俯瞰する方法ですが、どの会社でも必ず蓄積している売上伝票情報とエクセルさえあればかなりの情報分析が可能です。この情報分析からは、「商品」「顧客」「担当者」「営業所」別の売上推移や利益率などを読み取ることができます。

これらの分析結果からは、どこが伸びているのか、どこが落ち込んでいるのといった課題を特定することができます。次にその要因を分析することが重要です。課題が特定できたとしても、要因が特定できない限り、担当者の営業成績を向上させることはできないからです。この要因が特定できれば、打つ手を具体的に考え実行することが可能になります。

この分析に最適な方法は「ピポッドテーブル機能」を使うことです。
分析することは、つまり、物事を構成する要素を分解して、それらを成立している要素・成分を明らかにすることにあります。ピポッドテーブル機能を使えば、要素分解と比較が容易にできるので、課題抽出・要因分析を簡単にサポートしてくれます。

営業マネジャーの仕事は、このピポッドテーブル機能を使って、自身が管理する営業担当者の売上伝票情報を分析することで、かなり効果があがります。

2011年1月11日火曜日

営業マネージャーの仕事

一般的に、企業に在籍されている営業マネージャーの多くは、これまでの実績を評価され昇進された方がたです。こうした方々が、現実的に悩んでおられるマネジメント課題として、「何故部下が売れないかがわからない」という点が挙げられます。

営業マネジャーの仕事には、これまで「自分が売ること」だけでよかったスキルに対して、「人に売らせる」という全く異なる能力を求められているのです。

ではこの能力、どうやったら身につくのか。それはまず、自分自身の営業活動を振り返って、そのプロセスを普遍化することにあります。もうひとつ重要なのは、自身が管理する営業マンが担当している企業全体の数値を分析することにあります。

このどちらもかなり難しい作業です。自分自身の営業活動を振り返るという作業をおこなうと、多くの成功者が「臨機応変に対応している」と感じているため、なかなか普遍化することができません。この「臨機応変」という単語は実にやっかいです。本人はこれを無意識にやってきたのです。だからこそ、有能な選手が必ずしも有能な監督にならないといった格言にもつながります。

もうひとつ、営業マンが担当している企業全体の数値を分析する作業ですが、これは営業担当者の抱えている数値情報及び一次情報を、定期的にしかも正確に集めることができなければいけません。営業担当者は、日々の業務に忙しく、なかなかこうした情報提供にまで時間が割けません。

もし、営業マネージャーの分析結果がとても便利で役立つ情報、つまり営業成績に直結する情報であれば協力的になってもらえます。では、どうしたらこの役立つ情報を準備できるのでしょうか。

これもまた、自分自身がこれまで顧客に対して行ってきた情報収集・分析・提供といった一連の作業過程を振り返る作業に他なりません。何故自身が顧客に信頼され、取引を拡大し続けてきたのか。その理由は、「人柄」ではありません。担当顧客が、あなたと取引することで利益を拡大し、事業を円滑に進められると判断した結果なのです。

つまり、自分自身の営業スタイルを普遍化すること、加えて、自分自身の顧客対応を普遍化することに成功し、かつそれを言語化し、部下に教育し、その作業過程を管理することができれば、あなたは成果を上げる営業マネジャーになることができるのです。

「部下が何故売れないのかわからない」と嘆く時間を、ぜひ、自分自身の営業活動を振り返り、普遍化する作業に費やしてみませんか。

2011年1月10日月曜日

データ分析の面白さ

今週末は「選挙」をマーケティング視点から分析した知見について、現役議員を対象に講演会を実施する。資料準備過程ではとても面白い発見があった。

衆議院議員選挙の年齢別投票率を分析していて気がついた。巷では「日本の投票率下落を主導する、深刻な若者の投票率」などという議論もある。事実、20歳代の投票率は確かに低い。しかし、どんなに若年層時点では低投票率だった世代でも、子育世代に突入したとたん投票率が20%近く跳ね上がるのである。

実は、独身者にとっては年齢が20代であろうが40代であろうがあまり差はない。自分のことだけ心配していればいいのだ。しかし、結婚し子供を持ったとたんに政治に翻弄されるようになる。その典型が幼稚園難民である。制度上の不具合に生活が振り回されるのだ。

家族の就労形態も同じである。扶養控除・国民年金免除を受けることのできる範囲内に収入をコントロールすることなど、これも政治との関係で一喜一憂することになる。

つまり「若者」が投票しなくなったというのはある種の幻影で、平均結婚年齢が上昇した結果、生活に直結する政治との距離がより遠くなったことが投票率の減少を招いていたのである。

すると次のことが指摘できる。必然的に政治に向かい合わざるを得なくなる年齢層の人たちは、新たに投票行動を開始するということ。つまり新規顧客が明確化されることで、この層を如何に取り込むかを考えれば、少なくとも20%近くの大票田が目の前に存在していることになるのだ。

この話は、これまでリピート顧客である高齢層を取り込んできた既存の政治家ではなく、新たに選挙に挑む政治家志望者にとっての福音ではないだろうか。そこには明確に市場が存在しているのだ。あとは如何に、その市場のニーズをくみ取ることができるのか。その一点にかかっている。

2011年1月9日日曜日

スティーブジョブスの顧客志向

週刊雑誌AERAにスティーブジョブス(アップルCEO)に関する記事が掲載されていた。

「競合他社と違って、ジョブスとウォズニアックは、マシーンよりも使う人間を重んじてきた。利用者を第一に考える宗教みたいなものだ」(ソフト開発会社社長アウリ・ライムザディ)

「ジョブスがいなくなって、顧客ではなくて業界内の競争に目が向いたとき、アップルは消えそうになった」(ライムザディ)

「消費者に『何が欲しいか』と聞いて回った結果、iMacを持ち歩きたい、ということだった」(ジョブス)

これらは、ジョブスの顧客志向の一端を明確に示している。
私自身、10歳で初めてPCを買ってもらってから、一度もMacを使用したことはない。しかし、iPod nanoを購入し、今年はとうとうiPadを買ってしまった。

そこには、ウィンドウズPCにはないユーザビリティに溢れたアイディアが詰まっている。スティーブジョブスは、市場調査を否定しているが、顧客の声は重要視している。それは、初代マックに「マウス」を導入し、普通の人に直感的に使える環境を提供した点でも明らかである。

しかも、彼は通常のCEOが重視する財務や業績ではなく、最先端の技術を把握し続けるために、サプライヤー、時にはサプライヤーのサプライヤーにまで面接することで、革新的な技術をどう生かし、他社と決定的に違うヒット商品にするかを「利用者の目」で思考している。

まずは「顧客の声に耳を傾ける」。このことこそ、顧客に愛される企業経営の礎を築くのだ。