昨日、某出版社の担当者が来訪。
現在書き溜めている営業技術に関する著述の書籍化について。
まず出版事情をほとんど知らないので、いろいろと教えを乞うた。
出版業界はかなりしんどい。電子書籍への取り組みをどうするかなど。
実際、自社企画出版でも持ち込み企画でもヒット率はほとんど同じ。
しかも出版物の半数が初版で終了。つまり赤字で終わる状態にあるのだそうだ。
しかしこの出版社は社史を中核事業としているとのこと。しかもビジネス書が現在の出版事業の主たる内容であるらしい。そこで、社史でお付き合いのある企業に、どんな「書籍」とかかわりのある仕事があるか聞き取り調査を行ったらどうかと提案した。
社史を編纂する企業は比較的安定経営ができている会社である。だからこそ社員教育なども地道に行っているはずだ。この社員教育。意外に適当な研修制度は存在していない。どれも通り一遍。その会社に必要な研修を提案できる企業はあまりないのだ。
だからこそ、聞き取り調査をすれば、こうした社員研修で必要としている技術論の全体像を理解することができるし、しかもビジネス書出版社なのだから、関連する技術のエキスパートを集めて教本を執筆してもらえば、かなり需要の見込める「書籍」が作れるのではないかと提案したのだ。
しかし、担当者から帰ってきた言葉は「それは日経やPHPがすでにやってます」という回答。もちろんそんなことくらいある程度分かっている。しかし、作ってもこれらの企画が売れていないのは、顧客の声を聴かず、こんな情報が必要だろうと制作サイドだけで考えた代物だからなのだ。
既存事業の見直しにしろ、新規事業への取り組みにしろ、少なくともチャネルを持っている顧客の不満や不安を捉えることから始まるのだ。そうした意味で、社史編纂で携わっているパートナー企業群を保有しているだけでも、他社とは差別化できる要素を持っているのである。
しかし、現実的に考える対応策が「電子書籍化」などという小手先の対応を考えている出版社をパートナー企業として、弊社の成長戦略を担ってもらえるとは思えない。企業や営業担当者は「できない理由」を考えるのではなく、「やるためにはどうすればいいのか」を考えることこそが、本当のイノベーションを生み出すのではないだろうか。
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