大震災の影響もあり、当初計画していた住宅建築着工が完全ストップ。
同時期に担当営業が退社し、新しい営業担当者の無能ぶりが引き金になって契約解除。
現在、当該企業法務部と契約内容確認、違約金割合の算定を進めている。
そもそも何故、当該住宅メーカーとの契約を白紙に戻すことになったのか。
その大きな理由は、地震で露呈した管理機能の不完全さにある。
本物件は、3月16日に着工日を控えていた。しかし大震災の影響で資材供給がストップ。当然、メーカー側は多数の案件を扱っているため、その混乱は想像に難くない。しかし、メーカー側の対応として、資材供給の確認はもちろんのこと、契約顧客への対応が不可欠である。
なぜなら、契約者には、ローン返済時期の問題や引っ越し手続きの問題など、納期が遅れることで計画変更を余儀なくされるからだ。
しかし、当該メーカーからの連絡が入ったのは、3月15日に「着工がストップします」という報告のみ。そこから2週間近くなんの音沙汰もなかった。契約書には、着工日・受渡日などに変更が生じた場合、速やかに契約書を修正し再締結を行うと規定されている。つまり企業として、この契約履行を反故にしているのだ。
もちろん、想像を超えた事態であるいうことはわかる。しかし、こうした事態に備えて準備を怠っていたという事実こそが、高額な商品を販売する企業としては、「決定的に信頼を失う」ことにつながるのだ。
ただし、ここからが本日の本題である「優秀な営業担当と硬直化した管理部門」の話である。
こうした事態が発生し、解約手続きを申し出て以降、直接の担当者として支店長が任命された。
この支店長、とにかく仕事が出来る人なのだ。
「もしも」ということはありえないが、もし彼が私の営業担当者であったなら、今回のような事態は起こっていなかったのかもしれないというくらい優秀なのだ。
彼は、本案件を本社法務部に正確に伝達している。しかしこの法務部の対応が情けない。私の主張は「契約書で同意した行為を履行していない」という点にある。だからこそ、契約書に従った解約手続きは無効であると主張している。その主張に対して、法務部の公式見解を示しなさいと。
しかし、法務部はこの主張の本質を理解できていない。そのため、結局、契約書にのっとった解約手続きのみを、当方に依頼してくるだけなのだ。そこでこの営業担当者の登場になるのだが、彼は、事の本質をクリアに理解している。
と同時に、法務部では明確な回答が得られないと仮定し、既に営業本部に妥結案を提示し、その内諾を得たうえで、当方に相談に来るのだ。つまり落とし所を明確にしたうえで、社内処理をもルートをかえながら進めているのだ。
彼の働きに対してはとても感謝しているし、同時に法務部という管理部門の無能ぶりを実感している。本来、支店長の業務はこうしたクレーム処理ではない。法務部が実務部隊として機能するならば、私に連絡してくるのは「法務部」であるはずなのだ。
ここで妥結点を図る。あるいは妥結点が当事者同士で測れないのであれば、専門家(代理人)をたて、法的に協議すればいいのだ。しかし実際には、支店長が八面六臂の活躍をみせ、当該案件の処理にあたっており、法務部はほんのわずかも役に立っていないのだ。
私の主な業務は、市場調査であり、営業コンサルである。こうした立場から、様々な企業組織を拝見させてもらう機会が多いが、属人的な組織ほど顧客満足度が低く、企業として、組織体として、システムとして機能している組織ほど顧客満足度は高いのだ。
本来、企業組織の研究分野として「経営学」が存立している。しかし、会社システムをどのように構築し、運営すべきかといった重要な課題をスーパー経営者の「属人的能力」に任せてきたのではないだろうか。現場は、マネージャーは、経営者は、それぞれの立場でどう有機的に「組織」を構築していくべきなのか、この総合体系的な「学問」を構築する時期に来ているのかもしれない。
私はその解決を「営業学」に求めるべきだとも考えている。そろそろ「営業学」という学問を、この手で具体的に体系化していきたいとも。