2011年1月29日土曜日

住宅メーカーの営業プロセス分析や顧客調査

本日は、とある住宅メーカーの支店での打ち合わせ。この支店は9名の営業が在籍し、年間100棟を販売している、売上好調の支店である。

このメーカーでは、営業担当者は個人的な営業活動を必要としない。会社の広告宣伝を見た顧客が、自社が設置する住宅展示場に来訪し、その際担当として配置され、成約に結び付けていくという営業スタイルを確立している。

営業一人当たり平均月4件の商談を抱え、成約率は25%。業界平均が10~15%であることを考えればかなりの高成約率だと言える。しかし、この住宅メーカーの展示場は、いわゆる他メーカーも含めた総合展示場ではなく、自社独自の展示場なのだ。つまり顧客はすでにあるカテゴリー内で、このメーカーに決めてくれているといっても過言ではない。

そこまで足をはこばせていながらの25%という成約率は、実は低い数値であるといわざるを得ない。その原因は営業スタイルにある。ここでも多くの住宅メーカーと同じく営業教育はほぼゼロに等しいおだ。つまり営業担当者ひとりひとりの創意工夫が年間100棟という数字を作り上げているのだ。

多額の広告を使い、また顧客がわざわざ足を運びながらクロージングできないことで75%の収益機会を失っていることに会社は気が付いていない。何故75%もの顧客が未成約で終わったのかを真剣に分析する必要があるのだ。

営業担当者に横の連携はない。何が問題であるか。どういった対応が顧客に喜ばれるのか、実は営業担当者個々人はさまざまな蓄積を持っている。しかし、それを共有するという体制が構築されていない。そもそも担当者制をひいているので、顧客を取られる心配はないはず。あくまで自分自身の担当顧客の成約率を高めていくだけなのにもかかわらず、こうした状況なのだ。

ここで重要な役割を果たすべきは、営業マネジャーだろう。日々の仕事に追われる担当者に代わり、彼らの営業プロセス分析や顧客調査を行い、客観的に担当者ごとのつよみや弱みを伝え、成功事例・失敗事例の共有を進めていくことで、彼らはより効率的かつ効果的に営業成績を向上させることができるのだ。

本来、営業マネジャーの仕事とは営業担当者を管理することではない。営業成績が良いから論功行賞として出世しているわけでもない。あくまで管理監督する営業担当者が、より営業成績を上げられる環境を整備することなのだ。そのための情報収集分析能力を持つことこそが、これからのマネジャーに求められる力なのだ。

2011年1月28日金曜日

ペット愛好者と公共交通機関



一昨日参加した異業種交流会の二次会での出来事。
とあるドッグカフェ経営者が鉄道関係者に意見具申。全国にいるブログ仲間の間で話題のクレームがあるとのこと。

そのクレームとは、鉄道にペットを乗せる際の扱いについて。ペットを鉄道に乗車させる場合、実は手荷物扱いだというのだ。しかも「手荷物票」をキャリーボックス等に付ける必要があるとのこと。飼い主たちの思いとしては大事な家族を手荷物とはけしからんということなのだ。

確かにこれほどペット市場が拡大した日本国内において、公共交通機関がペット対応を迫られているのは現実だ。そこで気になって鉄道のペット対応について簡単に調べてみた。すると手荷物扱いについては全国共通なのだが、JR九州と北海道だけはどうやらペットカードという台紙を発行しているらしい。このペットカードに先の「手荷物票」をホッチキス止めするのだ。

さてこの対応。飼い主さんの気持ちをくみ取れているのだろうか?確かに手荷物とは区別するよという姿勢は打ち出せてはいるが、やはり手荷物扱いからは脱却できてはいない。つまり中途半端なのだ。
ペットが泊まれるホテルや温泉も増えてきている。高速道路などでもパーキングエリアにドッグランを併設する取り組みが行われ始めている。インフラが、ペットと共存することを前提に構築されてきだしているのである。
鉄道は航空業界との熾烈な競争を繰り広げている。航空業界はどんなに頑張ってもペットをシートに座らせることはできないだろう。しかし鉄道はこの点融通が効く交通機関だ。鉄道業界が勝ちのこっていくためには、顧客の要望にこたえる「差別化」が必要だ。
まさにこのペット対応が鉄道業界のひとつの光明につながるのかもしれない。そうした意味で、あらゆる機会でこうした顧客の声を訊くことが重要になっている。

2011年1月27日木曜日

葬儀社と顧客満足度

従兄弟の長男が19歳の若さで他界。本日は葬儀参列のため葬儀社へ。


ここ数年、葬儀参列の機会が突如増加した。正月前の喪中はがきの枚数がそれを如実に物語っている。と同時に、葬儀社の提供するサービスを依頼者側・出席者側の立場から考える機会も増えた。

現在、死亡人口が増加傾向にあるなか、葬祭業界では、新興企業が従来の慣習を打ち破り格安プランを提供する影響などから、価格下落が続き、市場規模は横ばいから微減傾向で推移している。今日の葬儀会場は、こうしたなか業績を年々向上させている業者でもある。

この業者の売りはサービス向上のための「喪家アンケート」である。しかしこのアンケート、何に役立つのか想像もつかない。なにしろ悲しみに暮れている家族が、冷静に「葬儀サービス」を振り返ることなどなどあり得ないからだ。

葬儀を取り仕切る経験など一生のうち一度か二度あるかないか。はっきり言って何をすればよいかは葬儀社の言いなりに過ぎない。

しかし参列者は別だ。ある意味冷静さを持ち合わせている。今日の葬儀ではとにかく「カメラマン」と「アナウンス」と「全体の式進行の大げささ」が鼻についてしかたなかった。悲しみに暮れる家族や故人の友人に向かって無神経にたかれるフラッシュとシャッター音。ここが泣き所だと言わんばかりに感情移入するアナウンス。そして故人を思い出すためと称したイメージ映像。

正直、強く抗議したかった。悲しみに暮れる従兄弟夫妻になりかわって一言でも文句を言いたかった。しかしそんなことをしても、故人や従兄弟夫妻が喜ぶわけでもない。この葬儀社を使うことは絶対にないという思いだけを強く持った。

「顧客の声を訊くこと」こそが商品やサービスを向上させ、企業業績を上向かせる方法であると常々、仕事において語ってきている。しかし「顧客とは誰か」をわからずに訊くことが、どれほど無意味なことかこの事例からぜひ理解してもらいたい。

「顧客」=「お金を払う人」ではない場合もあるのだ。誰の何のためにサービスを提供しているのか。それを定めることができなければ、「顧客の意見を訊く」という行為が暴力になる場合もある。

葬儀社は、故人を愛しむすべての人たちの気持ちを昇華させてあげなければならない。それを邪魔する装飾は全て取り払い、シンプルに徹することだ。目立ってはならないのだ。黒子に徹し、故人とのこれまでの日常に区切りをつける場を淡々と組み立てることなのだ。

2011年1月26日水曜日

コンビニ経営と電鉄経営

本日は異業種交流会の講演会に出席。
講師は、香川日産自動車取締役、サンクスアンドアソシエイツ東四国代表取締役及び高松琴平電気鉄道の取締役の真鍋康正氏。

特にコンビニエンスの経営戦略をわかりやすく解説。コンサルティング会社・投資会社出身者だけあって、統計的素養が高く、科学的な経営姿勢が強く伝わってきた。

現在、国内のコンビニは43372店舗(2010年12月現在)。年間利用者数は139億人。1日1店舗当たり880人平均。客単価は約576円という数値。

現在、国内市場は飽和状態にあり、海外にコンビニのシステムを販売するか、他のチェーンコンビニ店舗をどうM&Aしていくかという状態にあり、「商品力」よりも「立地」に尽きると断言されていた。

過去は、交通量が最優先の立地判断基準だったが、現在は「胃袋の数」だそうだ。つまり、コンビニの主力商品である弁当・おにぎりなどの購買層がどれだけ近隣に居住しているかが重要であり、住宅街の真ん中の「立地」こそがトレンドだと説明していた。

確かに大きな流れとして、この分析は正しい。つまり表層的な人の流れを押さえるのではなく、商品と顧客を結びつけた分析が進んだ結果なのだ。しかし、分析はより一歩進める必要がある。POSデータの分析からは、購入品目と購入者の年齢層・性別の相関関係が解明できる。だからこそ、単身や高齢者で弁当を買う世帯を狙った立地戦略という流れに行きつくのだ。

しかし、この購買行動は、実は本来の顧客ニーズをとらえた結果ではない。あくまでコンビニの商品ベースに集計されたデータであり、高齢者層の望む「食」と単身者が望む「食」が、弁当やおにぎりとは限らないという前提に挑戦しなければ、本来的な顧客ニーズを捉えたとは言い難い。

つまりコンビニチェーン店の競争の中で一歩抜きんでるためには、購買結果データの分析から一歩踏み込んで、購買層の生活行動そのものを調査分析し、ニーズを正確に捉え、それに合致する商材を届ける必要があるのだ。

もちろん真鍋氏はこうした事実を十分承知している。しかしコンビニ本部が存在している中で、ドメスティックな運営会社を経営しているというスタイルにはおのずと限界があることも承知している。このはざまの中で、新しい経営を模索しているのだ。

そうした意味で、これからの経営とは、まさにコンピュータの世界におけるオフコンからパソコンへの転換期に近いのだと思う。つまり全体平均から個への転換点なのだ。もちろん近い将来、パソコンからクラウドにという流れと同様に、再度個から集合へという流れが起こる可能性は高い。

しかし、小売のトレンドが、集約から分散へ、画一から多様へという流れに変化しているなかで、如何に企業内のデータ分析だけに限らず、外部データ、つまり顧客の声を個店別に分析するかがカギとなってくるように感じた。

本当にいろいろと考えさせられ、勉強になった講演会だった。

2011年1月25日火曜日

販売員の対応と顧客満足度

本日、i Pod touchをヨドバシカメラ梅田店にて購入。

その前に、i Podとi Tunesの問題点について販売員さんに確認。
この販売員さんの対応が秀逸。わかりやすさとこちらの期待を超えた対応。
ヨドバシカメラの教育か、あるいはアップルストアの教育か、それとも本人の努力か。
いずれにせよ、ヨドバシカメラのアップルストアの評価は確実に高まった。

現状と確認事項は以下の通り。
現状① PC(1)に購入編集した楽曲がi Pod nanoに入っている状態。
現状② PC(1)がクラッシュしてしまい、PC(2)を購入したがi Pod nanoの楽曲が同期しない
確認① PC(2)に何らかの方法でi pod nanoの楽曲を全て移したい
確認② PC(2)と新規購入するi pod touch & i pod nano を同期させたい

この販売員さん、的確に上記の現状を把握、アップル社員に照会。
しかも、本来はi pod nanoからPCに逆流できない手法について、あくまでも「聞いて知っている情報」だと前置きして、フリーソフトか販売ソフトで対応可能だということを教えてくれた。

我々顧客は、解決策を明確に示してくれることを望んで、店舗担当者に質問している。
こうした希望は、ほとんどの場合裏切られる。その理由は、担当者の知識不足にもあるが、もっとも多いケースは、こちらの希望を十分理解せずに対応しようとする極めて初歩的な問題にある。

こうした店頭での質問の場合、実際に現物が存在しないため確認のしようがない。つまり、顧客側しか正確な情報を持ちえていないのである。もちろん顧客側の伝える能力にも問題はあるが、それ以上に、訊き役であるはずの店舗側担当者の訊く能力が重要になってくる。

小売店での販売力強化研修などでは、よく「大切なことはお客様の立場になって、考え、行動できるか否か」というキーワードが使われますが、その一段階前に、「顧客の考えを適切に訊く」という能力が求められます。

どんな試験でも同じだと思いますが、答えを出すためにはまず「問題」を正確に理解することが問われます。数学にしろ物理にしろ世界史にしろ、全ては問題を読み解くための日本語能力が基礎となるわけです。

営業や販売の世界でも、この原理は同じです。自分たちが取り扱う商品やサービスを顧客に購入してもらうためには、まず顧客が持っている課題や問題を正確に理解したうえで、答えであるソリューションとしての商品やサービスを提供しているはずなのです。

訊く能力とは、ただ黙って訊くということではありません。適切な質問が出来ること、相手の言葉を理解することが大切なのです。もしもアップル製品のことで悩んだときは、ぜひヨドバシカメラのアップルストアへ相談してみてください。個人名は個人情報保護の観点から控えさせてはいただきますが・・・。

2011年1月23日日曜日

顧客の声を訊くことの重要性

本日の朝日新聞。国産エコカーの燃費表示に関して、新測定方式が義務化されるとの記事。

以下、記事抜粋
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エコカー人気で「低燃費」競争が厳しさを増す中、カタログ上の燃費で実際に走る人はほとんどいない。国産車の燃費はとりわけ現実離れしているとの指摘があり、国土交通省が4月から改善に乗り出す。実際の燃費に近い新試験の結果をカタログに表示するようメーカーに義務づける。
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実は、全国50万人が利用するe燃費というサイトがある。このサイトでは、約10万人から携帯電話で実際の給油量と走行距離を入力してもらったデータを集計し、車種ごとに「実燃費」を算出しているのだ。サンプル数が少ない車種もあり、限られたデータに基づく参考にすぎないが、一般ドライバーが一般的な使用環境のもとで析出するデータであるため、ネット上では一定の信頼を得ているという。

例えば、プリウスの実燃費はカタログ値で38キロ/1ℓであるが、e燃費によれば21.7キロ/1ℓという結果だったのだ。国産車メーカーは、試験で良い結果が出るようにエンジンのコンピュータプログラムを調整し、かつ専用のテストドライバーが運転することで、良い数値を出すようにしているという(国土交通省関係者)。

つまり、販売する側は顧客に本当の情報を伝えていないのである。実感としてはわかっていても、数値で示されるととても説得力がある。商品やサービスを売る側の論理で伝えることの問題がこのように潜んでいるのだ。他方、商品やサービスを買った側は、実生活で利用しているため本当の情報を持っている。

これまでは、そうした声を伝える方法がなかったものの、現在では様々なツールのおかげで、こうした声やデータを集めることが可能になった。本当に勝ち残る企業も、一方的な情報配信はやめて、こうした顧客の声を真摯に訊くことが重要になってくるはずだ。