話題の本『ザッポス伝説|アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか』を読んだ。この本は、顧客視点にたったビジネス展開が如何なる意味を持つか、数多くの知見を提供してくれている。
「ザッポスの成長の一番の原動力となっているのがリピート顧客と口コミです。広告にはほとんど費用をかけず、その費用をカスタマー・サービスと顧客体験に投資し、私たちに代わって顧客に口コミでマーケティングを担ってもらおうというのが私たちの哲学なのです。」
この哲学を徹底するため、気に入らない靴を送り返してくる送料すらも全額負担、また5%程度の売上しかない電話であってもコールセンターに対する投資比率は極めて高い。つまり顧客満足を向上させること(著書では「ワオ!」という驚きを届ける)を追及しているのだ。
確かにザッポスのような小売店は顧客の欲する靴を作り出しているわけではないが、靴を買うならザッポスでと購入窓口を押さえているのだ。どこで買っても同じなら、近所の靴屋よりザッポスで買いたいと顧客に思わせたいと真剣に考えているのだ。
その結果、「一般に、マーケティング部門がマーケティングROIを計算する際、顧客の生涯価値を一定にして考えます。私たちは、顧客の生涯価値を流動的なものとみなしており、あらゆるやり取りを通して顧客の心の中に私たちのブランドとのよりポジティブな絆を作り出せれば、顧客の生涯価値は向上できると考えています。」と著者が述べるように、マーケティングでの顧客生涯価値の概念的定義さえも、覆し、顧客の生涯価値自体を増大させていくという挑戦を行っているのである。
こうした知見は、日本国内のどんな業種業態にも当てはまる普遍的な概念ではないだろうか。これまでは、「顧客がそこで買いたいと思ってくれる製品とサービスを提供すること」という普遍的な企業目的を有していたとしても、結果的に「製品とサービス」という提供側のコントロールが及ぶ部分に注力してきたのが日本企業である。
しかし、これからは、「顧客がそこで買いたい」と何故思ってくれるのかを考えること。つまり提供者側のコントロールが効かない部分に如何に注力していくかが成功するための必須要件なのだろう。
2011年1月8日土曜日
2011年1月6日木曜日
顧客目線にたった提案で活躍する小売業
スーパーを訪れると大量・多種類の商品が陳列されているが、自身が購入するブランドはほぼ固定化している。こうした点からも、現在の小売業の厳しい状況は実感できる。
スーパーの売り上げは14か月連続で対前年同月比を割り込み、百貨店では23カ月連続。コンビニでも8カ月連続である。そうしたなかで、地域に根差したローカルスーパーで業績を伸ばしている中小企業がある。
食品スーパーでは、ハローデイ(北九州)、オギノ(山梨)、ヤオコー(埼玉)、オオゼキ(東京)などである。彼らは何故、増収増益を果たせているのだろうか。その答えが顧客目線にたった提案である。
例えばハローデイの売り場はディズニーランドのような「アミューズメントフードホール」だ。この施策は、買い物は楽しくないと感じる子供連れ顧客に対してのアンチテーゼだ。ヤオコーは、一食の炊事に15分しかかけない主婦のためのメニュー提案を提供し続けている。オオゼキの売り場は時間によって変化する。昼間の専業主婦と夕方の働く主婦では選ぶ食材が異なるからだ。
成長しているローカルスーパーは、顧客の悩みを解消できるようニーズを掬い取り、機敏に対応しているのだ。あのダイエーですら、最初の店は「良い品をどんどん安く」「既存の価格を破壊する」という理念のもと、当時の主婦の抱えている悩み(例:牛肉を安く買いたい)を解消するために安売りを徹底したのだ。
伸びる企業の共通項とは、顧客ニーズを的確に捉えていることだ。成功体験に甘んじることなく、常に顧客目線にたち、顧客の不満・不安を解消することだけが、会社の成長を約束してくれるのだ。
スーパーの売り上げは14か月連続で対前年同月比を割り込み、百貨店では23カ月連続。コンビニでも8カ月連続である。そうしたなかで、地域に根差したローカルスーパーで業績を伸ばしている中小企業がある。
食品スーパーでは、ハローデイ(北九州)、オギノ(山梨)、ヤオコー(埼玉)、オオゼキ(東京)などである。彼らは何故、増収増益を果たせているのだろうか。その答えが顧客目線にたった提案である。
例えばハローデイの売り場はディズニーランドのような「アミューズメントフードホール」だ。この施策は、買い物は楽しくないと感じる子供連れ顧客に対してのアンチテーゼだ。ヤオコーは、一食の炊事に15分しかかけない主婦のためのメニュー提案を提供し続けている。オオゼキの売り場は時間によって変化する。昼間の専業主婦と夕方の働く主婦では選ぶ食材が異なるからだ。
成長しているローカルスーパーは、顧客の悩みを解消できるようニーズを掬い取り、機敏に対応しているのだ。あのダイエーですら、最初の店は「良い品をどんどん安く」「既存の価格を破壊する」という理念のもと、当時の主婦の抱えている悩み(例:牛肉を安く買いたい)を解消するために安売りを徹底したのだ。
伸びる企業の共通項とは、顧客ニーズを的確に捉えていることだ。成功体験に甘んじることなく、常に顧客目線にたち、顧客の不満・不安を解消することだけが、会社の成長を約束してくれるのだ。
2011年1月5日水曜日
福袋の先へ|CM天気図(朝日新聞)
今朝の朝日新聞のCM天気図は秀逸。現代の消費者の動向を的確に見抜いていると思う。
以下、一部転載
---------------------------------------------------
テレビが映し出す福袋ブームのニュースを見ていると、福袋に集まる人たちが、買い物を楽しんでいるというよりも、何かにせきたてられているように見えてくる。
で、その人たちが住んでいる今のこの国が、特に欲しいものがないという「満たされた社会」ではなく、欲しいものがわからなくなっている「満たされない社会」なんじゃないかと思えてくるのだ。
そんな福袋ブームを映し出しているテレビが、一方でテレビショッピングというケッタイな番組にも、相変わらず熱をあげている。特に民法のBSがひどい。
福袋ブームとテレビショッピングには直接的な関係はない。が、どちらにも、欲しいから買うのではなく、買うという行為自体に、人をどんどんせきたてているような何かがある。何か買わないと、酸欠状態になってしまいそうな、そんな気分に追い込む何かである。
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彼の言う「欲しいものがわからなくなっている」という視点。ここがポイントだろう。
バブル崩壊前までは、人々には「欲しいもの」が確実にあった。現代社会は、大都市人口の肥大化に伴い、地方都市からの大規模な人口流入も減少し、大都市生まれ大都市育ちの幅を利かせている。こうした社会では「欲しいもの」はすでにある。家も車もなにもかも。何しろ多くの若者が大都市の実家暮らしなのだから。
他方で、便利さも究極的に追及され、駅ナカに始まり、乗換駅の大規模商業施設・専門店進出、テレビ&携帯ショッピングと買い物の利便性の向上は著しい。つまりなにかの「はずみ」で買い物ができてしまえるようなシステムばかりが整ってしまっているのである。
その結果、天野祐吉が指摘する『欲しいものがわからなくなっている「満たされない社会」』に行きついてしまったのである。買うという行為をせきたてられ、結果的にモノがあふれているが、気がつけば不必要なものばかり。だからこそ『断捨離』といった整理の術までが書籍化されるのだろう。
ここで目指すべき未来とは、こうした溢れる情報やモノを、自分の生活・習慣に合う形に整理してくれるプロフェッショナルなのだろう。生命保険の世界では、外資系がライフプランニングというスタイルで、保険商品に溺れる日本の消費者に光明を見出したように、一般的な消費財や法人対象であっても、商品を基軸としたマーケティングから、「人」や「法人」を基軸にしたマーケティングに転換していくことこそが、満足できる社会への方向性ではないだろうか。
それを先取りしている好例がIBMだろう。「自社商品他社商品関係なく、顧客のためのソリューションを提供する」。そこを企業命題にして取り組んで成功を収めている。どんな規模の会社でも、この企業命題を追及することは可能だ。それはまた当社もしかり。自分の持てる知識・技術・人脈の全てを尽くして顧客にソリューションを提供するを約束したい。
以下、一部転載
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テレビが映し出す福袋ブームのニュースを見ていると、福袋に集まる人たちが、買い物を楽しんでいるというよりも、何かにせきたてられているように見えてくる。
で、その人たちが住んでいる今のこの国が、特に欲しいものがないという「満たされた社会」ではなく、欲しいものがわからなくなっている「満たされない社会」なんじゃないかと思えてくるのだ。
そんな福袋ブームを映し出しているテレビが、一方でテレビショッピングというケッタイな番組にも、相変わらず熱をあげている。特に民法のBSがひどい。
福袋ブームとテレビショッピングには直接的な関係はない。が、どちらにも、欲しいから買うのではなく、買うという行為自体に、人をどんどんせきたてているような何かがある。何か買わないと、酸欠状態になってしまいそうな、そんな気分に追い込む何かである。
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彼の言う「欲しいものがわからなくなっている」という視点。ここがポイントだろう。
バブル崩壊前までは、人々には「欲しいもの」が確実にあった。現代社会は、大都市人口の肥大化に伴い、地方都市からの大規模な人口流入も減少し、大都市生まれ大都市育ちの幅を利かせている。こうした社会では「欲しいもの」はすでにある。家も車もなにもかも。何しろ多くの若者が大都市の実家暮らしなのだから。
他方で、便利さも究極的に追及され、駅ナカに始まり、乗換駅の大規模商業施設・専門店進出、テレビ&携帯ショッピングと買い物の利便性の向上は著しい。つまりなにかの「はずみ」で買い物ができてしまえるようなシステムばかりが整ってしまっているのである。
その結果、天野祐吉が指摘する『欲しいものがわからなくなっている「満たされない社会」』に行きついてしまったのである。買うという行為をせきたてられ、結果的にモノがあふれているが、気がつけば不必要なものばかり。だからこそ『断捨離』といった整理の術までが書籍化されるのだろう。
ここで目指すべき未来とは、こうした溢れる情報やモノを、自分の生活・習慣に合う形に整理してくれるプロフェッショナルなのだろう。生命保険の世界では、外資系がライフプランニングというスタイルで、保険商品に溺れる日本の消費者に光明を見出したように、一般的な消費財や法人対象であっても、商品を基軸としたマーケティングから、「人」や「法人」を基軸にしたマーケティングに転換していくことこそが、満足できる社会への方向性ではないだろうか。
それを先取りしている好例がIBMだろう。「自社商品他社商品関係なく、顧客のためのソリューションを提供する」。そこを企業命題にして取り組んで成功を収めている。どんな規模の会社でも、この企業命題を追及することは可能だ。それはまた当社もしかり。自分の持てる知識・技術・人脈の全てを尽くして顧客にソリューションを提供するを約束したい。
2011年1月4日火曜日
営業活動の分析こそが営業マネージャーの仕事
ある住宅販売会社A社には営業社員が5人。販売棟数には大きな差がある。
社員Aは20棟、社員Bは17棟、社員Cは12棟、社員Dは7棟、社員Eは5棟。
社員AとEの差は4倍。この実績の違いは何故発生するのか。
一般的にはやる気の問題、あるいは営業担当者の工夫・努力が足りないと考える。しかし、その場合上司はどのように指導するのだろうか。やる気を上げる、工夫の仕方を教える、努力の方法を伝えるなど、とても主観的であやふやな指導方法しか浮かばないだろう。
成果を生む生まないは営業活動の違いに依存している。各営業担当者の活動を分析すると、顧客から収集する情報の質と量に違いがあることがわかった。そこで成果を上げている社員の情報収集ノウハウをリスト化、このリストに従うよう、成果の低い社員の営業活動を指導した。その結果、次年度から会社全体の受注数は25%向上したのだ。
この受注数向上の過程で行った作業は、現状分析とノウハウを指導することの2点のみ。あたらな広告宣伝費も投下していないし、値引販売もしていない。つまり、営業活動を具体的に指導しただけなのだ。
営業成績が上がらないチームの問題とは、営業マネージャーの分析能力にあると断言できる。どんな状況でも成績を上げる社員はいるものだ。その社員の営業活動と成果の上がらない社員の営業活動を比較分析すれば、答えはおのずと見えてくる。あとはそのノウハウを適切に指導・管理していくことで、実績は必ずついてくる。
社員Aは20棟、社員Bは17棟、社員Cは12棟、社員Dは7棟、社員Eは5棟。
社員AとEの差は4倍。この実績の違いは何故発生するのか。
一般的にはやる気の問題、あるいは営業担当者の工夫・努力が足りないと考える。しかし、その場合上司はどのように指導するのだろうか。やる気を上げる、工夫の仕方を教える、努力の方法を伝えるなど、とても主観的であやふやな指導方法しか浮かばないだろう。
成果を生む生まないは営業活動の違いに依存している。各営業担当者の活動を分析すると、顧客から収集する情報の質と量に違いがあることがわかった。そこで成果を上げている社員の情報収集ノウハウをリスト化、このリストに従うよう、成果の低い社員の営業活動を指導した。その結果、次年度から会社全体の受注数は25%向上したのだ。
この受注数向上の過程で行った作業は、現状分析とノウハウを指導することの2点のみ。あたらな広告宣伝費も投下していないし、値引販売もしていない。つまり、営業活動を具体的に指導しただけなのだ。
営業成績が上がらないチームの問題とは、営業マネージャーの分析能力にあると断言できる。どんな状況でも成績を上げる社員はいるものだ。その社員の営業活動と成果の上がらない社員の営業活動を比較分析すれば、答えはおのずと見えてくる。あとはそのノウハウを適切に指導・管理していくことで、実績は必ずついてくる。
2011年1月2日日曜日
住宅展示場の営業が抱える課題
本日は、現在進行中の住宅関連業務の参考になればと住宅展示場に足を運んだ。そこの営業担当者のセールスで気になった箇所が2点ほどあった。
ひとつは前職の住宅メーカーの欠点との比較を繰り返す点。もうひとつは、顧客の要望を聞くことよりも自社のセールスポイントをひたすらしゃべり続けた点である。
私も転職経験があるが、分野が異なっていたため営業時に比較例を出すことは皆無だった。しかし、この営業担当者は同業界からの転職だったらしく、ことごとく前職との比較論に終始した。こうした内容は聞いていて不快感を感じる。なぜなら、どのメーカーにもメリットとデメリットがそれぞれ存在するからだ。100%完璧なメーカーなどどこにも存在しない。だからこそ複数のメーカーが存立することができる。つまり、顧客の希望にもっとも近い商品・価格を提供できたメーカーが受注できるのだ。
しかし、彼のように他社と比較して良い点のみを強調するという手法は、顧客の心に「じゃあ他社と比較して悪い点はないの」という疑念を抱かせてしまう可能性が高いのだ。
営業担当者の営業スタイルは属人的な側面が強い。しかし営業マネージャーが担当者の営業スタイルを認知し、問題点を修正するという行動が必要となる。住宅展示場などの場合は、特に音声・映像など、顧客とのセールス現場を録画・録音することが可能だ。これらを分析することで、営業担当者の問題点を把握し、改善個所を教育することが重要だろう。
そして重要といえば、顧客の要望を聞くことに時間を費やすことである。自社のあるいは自社製品の宣伝などは時間の無駄に過ぎない。もしかしたら担当者は「今日のお客様にはうちの優れた点をわかってもらえた」と思うのかもしれない。しかし顧客が何に興味を持ち、どこに不安を感じているかといった情報を入手したうえで、その情報に適切に回答することのほうが、顧客にとっては満足度の高い来訪になるのだ。
住宅展示場に足を運ぶということは意味のある行動だ。全く興味を持たない人間はまずこない。つまり本人に住宅建築に関する意思が存在し、しかもわざわざ行動まで起こしているのだ。
この事実を認識したうえで、自社製品の説明などはパンフレットを渡してしまえば終りなのだ。それよりも顧客は何故、住宅建築を考えているのか、どんな生活スタイルを望んでいるのか、どんな条件を重要視するのかといった情報を、来場時の短時間の間にどれだけ収集するかにかかっている。
これら2つの問題点は、何も個人的な問題ではない。もし、営業を適切にマネージメントしていれば、「顧客の声を聞く」「前職と比較しない」といった基本的な行動は統制されているからだ。つまり、この住宅メーカーでは、営業担当者個人に依存した販売を行っていると言えるのだ。
もしこうした体制を改善し、統制されたマネージメントの元で運営すれば、確実に成約率は高まるはずだ。属人的な営業体制には、良い面もあるが悪い面も存在する。その事実を数的に「見える化」し、良い面は伸ばし、悪い面を改善するといった具体的行動がマネージメントという仕事である。
本来のマネージメントを実施するためには、まず現状把握が不可欠である。現状把握にはリサーチリテラシーが欠かせない能力となる。この能力を鍛えることこそが、マネージメント能力を鍛える第一歩になる。
ひとつは前職の住宅メーカーの欠点との比較を繰り返す点。もうひとつは、顧客の要望を聞くことよりも自社のセールスポイントをひたすらしゃべり続けた点である。
私も転職経験があるが、分野が異なっていたため営業時に比較例を出すことは皆無だった。しかし、この営業担当者は同業界からの転職だったらしく、ことごとく前職との比較論に終始した。こうした内容は聞いていて不快感を感じる。なぜなら、どのメーカーにもメリットとデメリットがそれぞれ存在するからだ。100%完璧なメーカーなどどこにも存在しない。だからこそ複数のメーカーが存立することができる。つまり、顧客の希望にもっとも近い商品・価格を提供できたメーカーが受注できるのだ。
しかし、彼のように他社と比較して良い点のみを強調するという手法は、顧客の心に「じゃあ他社と比較して悪い点はないの」という疑念を抱かせてしまう可能性が高いのだ。
営業担当者の営業スタイルは属人的な側面が強い。しかし営業マネージャーが担当者の営業スタイルを認知し、問題点を修正するという行動が必要となる。住宅展示場などの場合は、特に音声・映像など、顧客とのセールス現場を録画・録音することが可能だ。これらを分析することで、営業担当者の問題点を把握し、改善個所を教育することが重要だろう。
そして重要といえば、顧客の要望を聞くことに時間を費やすことである。自社のあるいは自社製品の宣伝などは時間の無駄に過ぎない。もしかしたら担当者は「今日のお客様にはうちの優れた点をわかってもらえた」と思うのかもしれない。しかし顧客が何に興味を持ち、どこに不安を感じているかといった情報を入手したうえで、その情報に適切に回答することのほうが、顧客にとっては満足度の高い来訪になるのだ。
住宅展示場に足を運ぶということは意味のある行動だ。全く興味を持たない人間はまずこない。つまり本人に住宅建築に関する意思が存在し、しかもわざわざ行動まで起こしているのだ。
この事実を認識したうえで、自社製品の説明などはパンフレットを渡してしまえば終りなのだ。それよりも顧客は何故、住宅建築を考えているのか、どんな生活スタイルを望んでいるのか、どんな条件を重要視するのかといった情報を、来場時の短時間の間にどれだけ収集するかにかかっている。
これら2つの問題点は、何も個人的な問題ではない。もし、営業を適切にマネージメントしていれば、「顧客の声を聞く」「前職と比較しない」といった基本的な行動は統制されているからだ。つまり、この住宅メーカーでは、営業担当者個人に依存した販売を行っていると言えるのだ。
もしこうした体制を改善し、統制されたマネージメントの元で運営すれば、確実に成約率は高まるはずだ。属人的な営業体制には、良い面もあるが悪い面も存在する。その事実を数的に「見える化」し、良い面は伸ばし、悪い面を改善するといった具体的行動がマネージメントという仕事である。
本来のマネージメントを実施するためには、まず現状把握が不可欠である。現状把握にはリサーチリテラシーが欠かせない能力となる。この能力を鍛えることこそが、マネージメント能力を鍛える第一歩になる。
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