今週末は「選挙」をマーケティング視点から分析した知見について、現役議員を対象に講演会を実施する。資料準備過程ではとても面白い発見があった。
衆議院議員選挙の年齢別投票率を分析していて気がついた。巷では「日本の投票率下落を主導する、深刻な若者の投票率」などという議論もある。事実、20歳代の投票率は確かに低い。しかし、どんなに若年層時点では低投票率だった世代でも、子育世代に突入したとたん投票率が20%近く跳ね上がるのである。
実は、独身者にとっては年齢が20代であろうが40代であろうがあまり差はない。自分のことだけ心配していればいいのだ。しかし、結婚し子供を持ったとたんに政治に翻弄されるようになる。その典型が幼稚園難民である。制度上の不具合に生活が振り回されるのだ。
家族の就労形態も同じである。扶養控除・国民年金免除を受けることのできる範囲内に収入をコントロールすることなど、これも政治との関係で一喜一憂することになる。
つまり「若者」が投票しなくなったというのはある種の幻影で、平均結婚年齢が上昇した結果、生活に直結する政治との距離がより遠くなったことが投票率の減少を招いていたのである。
すると次のことが指摘できる。必然的に政治に向かい合わざるを得なくなる年齢層の人たちは、新たに投票行動を開始するということ。つまり新規顧客が明確化されることで、この層を如何に取り込むかを考えれば、少なくとも20%近くの大票田が目の前に存在していることになるのだ。
この話は、これまでリピート顧客である高齢層を取り込んできた既存の政治家ではなく、新たに選挙に挑む政治家志望者にとっての福音ではないだろうか。そこには明確に市場が存在しているのだ。あとは如何に、その市場のニーズをくみ取ることができるのか。その一点にかかっている。
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