2011年1月8日土曜日

ザッポス伝説|顧客が熱狂するネット靴店

話題の本『ザッポス伝説|アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか』を読んだ。この本は、顧客視点にたったビジネス展開が如何なる意味を持つか、数多くの知見を提供してくれている。

「ザッポスの成長の一番の原動力となっているのがリピート顧客と口コミです。広告にはほとんど費用をかけず、その費用をカスタマー・サービスと顧客体験に投資し、私たちに代わって顧客に口コミでマーケティングを担ってもらおうというのが私たちの哲学なのです。」

この哲学を徹底するため、気に入らない靴を送り返してくる送料すらも全額負担、また5%程度の売上しかない電話であってもコールセンターに対する投資比率は極めて高い。つまり顧客満足を向上させること(著書では「ワオ!」という驚きを届ける)を追及しているのだ。

確かにザッポスのような小売店は顧客の欲する靴を作り出しているわけではないが、靴を買うならザッポスでと購入窓口を押さえているのだ。どこで買っても同じなら、近所の靴屋よりザッポスで買いたいと顧客に思わせたいと真剣に考えているのだ。

その結果、「一般に、マーケティング部門がマーケティングROIを計算する際、顧客の生涯価値を一定にして考えます。私たちは、顧客の生涯価値を流動的なものとみなしており、あらゆるやり取りを通して顧客の心の中に私たちのブランドとのよりポジティブな絆を作り出せれば、顧客の生涯価値は向上できると考えています。」と著者が述べるように、マーケティングでの顧客生涯価値の概念的定義さえも、覆し、顧客の生涯価値自体を増大させていくという挑戦を行っているのである。

こうした知見は、日本国内のどんな業種業態にも当てはまる普遍的な概念ではないだろうか。これまでは、「顧客がそこで買いたいと思ってくれる製品とサービスを提供すること」という普遍的な企業目的を有していたとしても、結果的に「製品とサービス」という提供側のコントロールが及ぶ部分に注力してきたのが日本企業である。

しかし、これからは、「顧客がそこで買いたい」と何故思ってくれるのかを考えること。つまり提供者側のコントロールが効かない部分に如何に注力していくかが成功するための必須要件なのだろう。

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