2011年1月2日日曜日

住宅展示場の営業が抱える課題

本日は、現在進行中の住宅関連業務の参考になればと住宅展示場に足を運んだ。そこの営業担当者のセールスで気になった箇所が2点ほどあった。

ひとつは前職の住宅メーカーの欠点との比較を繰り返す点。もうひとつは、顧客の要望を聞くことよりも自社のセールスポイントをひたすらしゃべり続けた点である。

私も転職経験があるが、分野が異なっていたため営業時に比較例を出すことは皆無だった。しかし、この営業担当者は同業界からの転職だったらしく、ことごとく前職との比較論に終始した。こうした内容は聞いていて不快感を感じる。なぜなら、どのメーカーにもメリットとデメリットがそれぞれ存在するからだ。100%完璧なメーカーなどどこにも存在しない。だからこそ複数のメーカーが存立することができる。つまり、顧客の希望にもっとも近い商品・価格を提供できたメーカーが受注できるのだ。

しかし、彼のように他社と比較して良い点のみを強調するという手法は、顧客の心に「じゃあ他社と比較して悪い点はないの」という疑念を抱かせてしまう可能性が高いのだ。

営業担当者の営業スタイルは属人的な側面が強い。しかし営業マネージャーが担当者の営業スタイルを認知し、問題点を修正するという行動が必要となる。住宅展示場などの場合は、特に音声・映像など、顧客とのセールス現場を録画・録音することが可能だ。これらを分析することで、営業担当者の問題点を把握し、改善個所を教育することが重要だろう。

そして重要といえば、顧客の要望を聞くことに時間を費やすことである。自社のあるいは自社製品の宣伝などは時間の無駄に過ぎない。もしかしたら担当者は「今日のお客様にはうちの優れた点をわかってもらえた」と思うのかもしれない。しかし顧客が何に興味を持ち、どこに不安を感じているかといった情報を入手したうえで、その情報に適切に回答することのほうが、顧客にとっては満足度の高い来訪になるのだ。

住宅展示場に足を運ぶということは意味のある行動だ。全く興味を持たない人間はまずこない。つまり本人に住宅建築に関する意思が存在し、しかもわざわざ行動まで起こしているのだ。

この事実を認識したうえで、自社製品の説明などはパンフレットを渡してしまえば終りなのだ。それよりも顧客は何故、住宅建築を考えているのか、どんな生活スタイルを望んでいるのか、どんな条件を重要視するのかといった情報を、来場時の短時間の間にどれだけ収集するかにかかっている。

これら2つの問題点は、何も個人的な問題ではない。もし、営業を適切にマネージメントしていれば、「顧客の声を聞く」「前職と比較しない」といった基本的な行動は統制されているからだ。つまり、この住宅メーカーでは、営業担当者個人に依存した販売を行っていると言えるのだ。

もしこうした体制を改善し、統制されたマネージメントの元で運営すれば、確実に成約率は高まるはずだ。属人的な営業体制には、良い面もあるが悪い面も存在する。その事実を数的に「見える化」し、良い面は伸ばし、悪い面を改善するといった具体的行動がマネージメントという仕事である。

本来のマネージメントを実施するためには、まず現状把握が不可欠である。現状把握にはリサーチリテラシーが欠かせない能力となる。この能力を鍛えることこそが、マネージメント能力を鍛える第一歩になる。

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