2011年11月10日木曜日

人は説得したからといって動かない

電子部品会社の営業部長様からの御相談。

ある大口取引先の近々の取引額が急速に落ちてきた。
通常1500万/月が、ここ2~3カ月は5~600万円/月になってきているというのだ。
その理由として事業部長が電話で、先方に確認したところ、顧客の顧客がこの社への取引を渋っており、転注を検討しているからだというのだ。

その話を聞いた営業部長、早速先方に乗り込んで説得するので、協力してほしいと息巻いていた。そこで私の登場(笑)

部長、もしその大口取引先様やその顧客の立場にたって、同じことされてどう思われますか?
かなり強引な奴だな、勝手な奴だなと思われて終わりですよね!
そんな一時的な説得で、本当にその1500万円の取引が戻ってくるのでしょうか?
そもそも、受注額が落ちた要因すら、一次情報として確認できていませんよね。
であれば、まずは取引が減少している要因について、ぜひ今後の自分たちの課題にするので教えてほしいという姿勢で先方に伺うべきではないでしょうか?

営業とは、目の前の数値が全てになりがちで、どうしても目先の1000万近い減収をどうにかしなければと、短期的な解決策を模索しがちである。しかし、もしこの短期的な取り組みを実際に行った場合どうなるか、一呼吸置いてシミュレートしてみてはどうだろうか。相手の立場に立つというのは実際には難しいが、立場を置き換えて考えてみることは可能だ。

この営業部長の場合、当然、自社でも電子機器製造過程において外注先が存在している。
この外注先への発注量が減っているさなか、突然どうにかして元の発注量に戻してもらえないかと、先方の営業部長が説得に訪れたらあなたはどう思いますか?…と。

「だってうちだって関連商材の発注が減っているからしょうがないじゃない」ということもあるし、「この機会に別の外注先に変わるかな」ということもある。その本当の理由が分からない限り、どんな取り組みを行ったとしても無駄足である。

行動を起こすためには、まず「正確な情報収集」を心がける必要がある。
「説得すればなんとかなる」という姿勢は、こちら側の勝手な論理にすぎない。
顧客は何を求めているのか?こうした変化の機会を捉えて、相手の考え方を知る機会だと考えられれば、よりパートナーとして長い取引が可能になってくる。

結果的に、この大口取引先に赴いた営業部長、原因を確認した結果、震災後のつくりすぎが原因で在庫が積みあがっていたためであることが発覚。ぜひ一緒に取引先開拓についてタッグを組んでやっていきませんかという前向きな話になり、新しい仕事まで取ってこれたとのこと。

もし、初めの鼻息のままお客様のところに説得に言っていたらどうなっていたか?
それを考えるだけで・・・

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