2011年11月9日水曜日

営業のコペルニクス的方針転換

国内大手の一角を担う、印刷企業の経営企画へのコンサルティング。

この会社では、主事業である印刷部門が年々売上を下げ、赤字体質から抜けきれない。他方、他事業部で収益をなんとか確保してはいるものの、主事業の抜本的な改善は果たせないまま。

そこで営業方針を転換し、1年前から経営企画が旗振り役になって、顧客分析、情報共有、バックアップ体制の強化と、王道ともいえる取り組みを開始。しかし、成果が出ないまま、トップの意向が変節し、経営企画自体も縮小されてしまった。しかし、問題意識を持ち続けている経営企画は、このままでは終われないと、日々、次の方策を検討しているという状態。

私は経営企画担当者にある質問をした。「御社印刷部門は何を売っている部門ですか」と?
すると、担当者たちは、「顧客が必要とする印刷物を印刷する部門」だとか、「顧客の広告戦略の印刷部分を担っています」といった各々の考えを述べてくれた。

つまり、「顧客の問題解決を「印刷」を通じてお手伝いしています」ということである。しかし、企業の本質は「顧客の問題解決のお手伝い」が第一義であるわけだから、なにも「印刷」にこだわらなくてもいいはずなのだ。

なにしろ、印刷会社は非常に特異な存在で、どの規模のどんな業種業態の会社であっても取引出来る数少ない業種の一つである。つまり、自分たちのお客様の悩みを知り、それを解決することが出来るお客様を紹介し合うことが出来れば、当然「顧客の問題解決のお手伝い」ができるのだ。その結果として、印刷物の発注も増えるはずである。

まずはお客様の成長を考えることで、自分たちの営業成果が上がる。これ以上に営業冥利に尽きることはないだろう。そのためであれば、これまで営業成績だけで競い合っていた営業担当者達も、自分の顧客のためという目的をもって、他の営業担当者たちと情報共有が積極的に行われるようになる。

しかも、顧客のための情報収集として、印刷営業が関係会社に新規営業をかけるという絡め手まで使えるため、新規訪問先には事欠かず、結果として売上・取引につながらなくとも既存顧客に役立つ情報を入手・報告することが出来、顧客企業が喜ぶというおまけまでついてくるのだ。

会社の抜本的改革には、なにも経営改革といった大上段に構えた取り組みが必要なのではない。
現場の営業担当者レベルでも、発想を転換すれば、大きな改革が可能になってくる。
まさに、コペルニクス的発想の転換が、現場営業には求められているのだ。

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