2011年11月14日月曜日
ピンチをチャンスに
我が家で数年前に購入した液晶テレビ。
このたび、同製品使用中に発煙があったとの重大事故の発現により、消費生活製品安全法に基づくリコールが発表された。リコール対象は約19万件。我が家には、購入した電気店からのDMによって情報が伝達され、当方より、直接メーカーのコールセンターに報告。先日、メーカー修理担当者が訪問され、約30分ほどの作業を終えた。
訪問担当者に話を聞いたところ、この19万件を1200チーム(1チーム二名構成)で担当しているとのこと。1チーム当たり約160件を訪問する計算になる。
さて、タイトルに「ピンチをチャンスに」と書いたが、
私が驚いたのは、この訪問が、ただの修理だけに終わっていたということだ。
メーカーは、実は購入者が誰かということを全く把握していない。あくまで販売者である量販店や販売店が直接の顧客であるからだ。今回の連絡も先に書いたように、あくまで購入した電気店からの報告によってだ。つまり、今回のリコールによって、このメーカーは、直接顔の見えるお客様19万件の動向が手に入るチャンスがあったわけだ。
設置場所の写真。埃の積もり度合い。照明との位置関係や視聴ポジションとの距離など、マーケティングデータとしては「生」の貴重な情報が手に入るはずだった。しかし、残念なことにこうした取り組みは一切なく、ただの修理に終始してしまっていた。
2400人ものメーカー社員を動員するために、いったいどれだけのコストをかけているのだろうか?1日3件まわっても、約2カ月フル稼働しなければならない。人件費だけで約12億円の出費だ(1200人×50万円×2か月=12億円)。
これだけのコストをかけるわけだから、何か得られる教訓があるはずだ。こうしたリコールを単なる「コスト」と考えず、顧客から学ぶという姿勢を常日頃から持ってさえいれば、より顧客のためになる有効なデータが収集できたはずなのだ。
日本のテレビメーカーは、韓国など新興国に惨敗の様相を呈している。それは、製品を「単なる販売物」として捉え、「顧客の生活の一部分を構成している要素」として見れていないことが、敗因の一要素ではないかとも思う。
「顧客の生活の一部分を構成している要素」としての製品を見るためには、顧客の生活の場に入り込むことこそが唯一の方法なのだ。マーケティングリサーチで表面的な質問をするよりは、実際に顧客の家に訪問し、どうやって製品を使用しているのかを知ることの方が、何十倍もの重要なデータが入手できるのだ。
こうした機会をチャンスと捉えられなかった今回のリコール。
まったくこのメーカの管理職は、どんな仕事をしているのだろうか?
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