以前、本ブログで、セメントに関する市場調査について取り上げた。
「一次情報を収集することの重要さ」と題しての投稿だ。
昨日、ある友人に10年ぶりに偶然再会。彼は家業のスクラップ業を続けていた。スクラップ業は、建築業には無くてはならない存在だ。何故なら、何の建築物もない更地はほとんど存在せず、そこに建てられている建築物を壊すことで、初めて建物が建築できるからだ。
セメントといえば建築。そこで、彼に新しいセメントの市場について意見を求めた。すると彼からは意外なコメントが。一次製品ではなく二次製品での展開を考えろというのだ。
新しい発想は常に合理的だ。彼は、セメントは単に一次製品だけではない、二次製品での供給も当然ありうると指摘した。何故そうしたコメントしたのか。その背景は規格問題だ。イノベーティブな商品は、国内規格に検査項目的に合致したとしても、配合原料的に合致しないケースが多々存在する。それは当然、既存製品・技術を核とした国内産業の保護側面があるからだ。
彼は、こうした問題点を見抜き、二次製品での展開を提案することによって、軽々と規格問題を解決してしまったのだ。つまり、完成品を提供するのではなく、あくまで素材としてその商品を捉えなおすことで、国内市場規模を再定義したのである。
これはある製品を、複数の異なる観点からみつめるための好事例だ。ピータードラッカーは、著書『想像する経営者』の中で、「企業が売っていると考えているものを、顧客が買っていることは稀である」という言葉を残している。
これは、ある商品・製品を企業側の固定的な視点で捉えても限界があるということを端的に示している言葉でもある。ある商品・製品を本気で売りたいと思った時には、恥をかくことを恐れずに、多くの人に意見を求めることで、より的確・適切な販売方法・使い方を知るきっかけになりうるのだ。
マーケティングの根幹は、「売る」ことではなく「顧客が何を求めているか」を知ることにある。調査企画自体も、自分の考え方だけにとらわれず、常に「違う」視点を取り入れていく必要を感じた。
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